面白いドラマをありがとうアワード2013

亜姫篤さん(id:einfall)の「面白いドラマをありがとうアワード2013」に参加させていただきます。


【1】2013年にTV(キー局・U局・BS・CS)でオンエアされた、日本の新作ドラマで面白かったものを3つあげてください。できればその理由も教えてください。

あまちゃん
ここまで社会現象になってしまったけど、そこも含めてこの作品が大好きです。どの登場人物にも見せ場があって、みんなどこか残念だけど愛すべきキャラクター。80年代の曲たち、現代アイドルの売り出しパロディ、マニアックな元ネタからのギャグ(わかる人だけにわかればいい)、クドカンならではの強制終了型の笑い(つまらないながらも一生懸命されている説明とかを急に次の場面に転換して打ち切るアレ)、そして震災、被災地。全ての要素を理解できる視聴者はいないと思うけど、どこかには共感したり笑えたりする、そういうツボがギュッと閉じ込められた15分の毎日でした。その毎日が積み重なって、目まぐるしく展開していって、でもある時、同じ人、言葉、音楽なのに全く別の表情でこちらに語りかけてきて、笑っていたはずなのにいつの間にか涙腺崩壊している、後半戦はそんな場面が多かったです。
脚本や役者さんはもちろん、音楽もお話と共に育っていったことも、この作品の特徴かな、と思います。潮騒のメモリー
があんな歴史を持っていろんな人に歌われるなんて、春子さんがカラオケで歌っていた時やメモリーズがお座敷列車で歌っていた時は想像しなかったです。他の劇中歌も、登場人物毎に作られたテーマも、その場面が思い浮かんで愛着があるものになりました。
また、鉄拳さんのアニメーション、地元のエキストラのみなさん、ジオラマをはじめとする美術関連、本物かと見まがう出来栄えの北三陸ホームページ、その他自分が気づいていない目に見えないたくさんの知恵と工夫と努力が終結されていました。そして、あまちゃんを愛するアサイチの二人を始めとする全国のあまファンの感想や分析を見るのも楽しかったです。ほんとにこのドラマに関わる全てが楽しみで仕方がなかった。こんなドラマに出会えて幸せです。


泣くな、はらちゃん
このドラマも登場人物全員大好きでした。はらちゃんのおかしな言動をみんなが優しく受け入れてくれて。小さい世界の中で、何もかもが平凡でうまくいかない気がして、それでも味方になってくれる人がどこかにいて、ちょっとしたことでうれしくなって、毎日笑顔でがんばろう、って思える、あったかいドラマでした。ものすごくヒットしたわけではないけど、それでいいのです。ちなみにイラっとしたときは「殺すしかないね」「まぁ飲んで飲んで」を小芝居するのが、個人的に流行っておりました、2013年です。


最高の離婚
震災後の現代のアラサー夫婦がうまくかかれていたと思います。なんとなくのすれ違い、ボタンの掛け違いが全然違うところにいってしまう怖さと、ちょっとしたきっかけでいい方向に歯車が回転していく喜びがあって、人の心って実際そんなもんだよなぁ、とうなずきながら見てました。印象的なシーンは、居酒屋での光生と灯里の距離が縮まるところ、光生が動物の動画見てるところ、結夏からのお手紙、諒さんが指輪投げるところです。あと、マチルダとはっさくがかわいかったな、猫大好き。2月のスペシャルも楽しみです。


次点は、リーガルハイ2。民意の濁流のくだりはさすがでしたが、どうにもシリーズ1作目の勢いが薄れた気がして、あえてトップ3には入れませんでした。
その他は、半沢直樹書店員ミチルの身の上話まほろ駅前番外地、ビブリア古書堂の事件手帖(色々言われていたけど結構好きだった。ゴーリキさん克服第一弾)が面白かったです。


【2】2013年にTVでオンエアされた、日本のドラマを書いた脚本家で、1人挙げるならばどなたでしょうか? できればその理由も添えて挙げてください。

宮藤官九郎
毎日15分に詰め込まれたネタを楽しんでいただけなのに、あっと言う間に北三陸のメンバーが大好きになり、短期間にどんどん話が繰り広げられていくスピード感がとても気持ちよかったです。朝ドラだけど、朝ドラじゃない!クドカンの作品は最後ちょっとダークになる展開が多いけど、今回は震災がありながらもそこから前向きに立ちあがっていくまでが描かれていて、これまでのこの方のドラマではあまり感じなかった清々しさがありました。やっぱり朝ドラだ。最後の紅白までを視野にいれて15分なんのスキも与えず仕上げてきたクドカン、苦手な人もいると思う(私も池袋WGPの頃は苦手だった)けど、間違いなく日本中を元気にしてくれました。あっぱれ!



【3】2013年にTVでオンエアされたドラマに出演した役者さんで、素晴らしかったと思う人を挙げてください。ここは人数問いません!

堺雅人半沢直樹 リーガルハイ2
 個々の作品は一番ではないかもしれないけど、年間総合の演者としては文句なしの一等賞です。ブームなんかじゃない、真の実力をどんどん見せつけてください!

薬師丸ひろ子泣くな、はらちゃん あまちゃん
 緻密な脚本によるものが大きいことは理解しているけど、歌い始めるだけで号泣できるのは、女優魂の力です。あまちゃんに注目されがちだけど、はらちゃん(少し前だと柳博士@Q10、もっというと美礼先生@キャッツ)での、ちょっと変人だけど若者の味方で、少しだけ遠くから応援してくれる隣のお姉さんポジション、この人だからこそ心強く感じられるのだと思います。

長瀬智也 泣くな、はらちゃん クロコーチ
 正反対なキャラクターを演じ分けられる振れ幅。そのどちらもが彼だから魅力的。

綾野剛最高の離婚 空飛ぶ広報室
 不健全なイケメン枠だけでなく、かわいこキャラ(いなぴょん!)も開拓されたので無敵。

瑛太最高の離婚 まほろ駅前番外地
 のびたくん並みの腰の引けた歩き方なのにかわいらしいなんてずるい。
 同じクールで完璧にかっこいい便利屋さんもやってたなんてずるい。

松田龍平まほろ駅前番外地 あまちゃん
 ぼけっとしてても女子ぽくても、結局その優しさにメロメロになるのです。

・長谷川博巳:雲の階段
 そこに立っているだけでアンニュイでエロい。

神木隆之介:小暮写眞館 家族ゲーム SPEC零
 悪い表情、怒りの演技でもキャリアの長さを見せつけてくれます。
 主役じゃないのに色々持っていってしまうので困ります。ほめてます。

小泉今日子あまちゃん
 この人に母性的な安心感を覚えるとは思いませんでした。

宮本信子あまちゃん
 優しくてかわいいおばあちゃんならたくさんいるけど、
 芯のある年配の女性って他にいるかな。
 あまちゃん前半のナレーションは夏ばっぱのおかげですごく引き締まっていた。

古田新太あまちゃん
 生まれたての小鹿級のアドリブが山のようにあったはず。
 ギャグ部門功労賞。

高良健吾書店員ミチルの身の上話
 竹井があまりにも不気味で、バスタオルをかぶりながら見ました。
 (夏だったので毛布や布団はかぶれず) 

風間俊介純と愛 ダンダリン マッチング・ラブ
 病的で狂気じみた時が一番光る。
 声とスーツ姿がかなりイケメてること、世間に気づかれたくありません。 

忽那汐里泣くな、はらちゃん 家族ゲーム
 劇中で恋をすると、中の人もみるみるうちに美しく変貌していくなんて初めて@はらちゃん。
 リアルタイムで見守ることができて光栄です。

若村麻由美純と愛 鴨、京都へ行く。
 ヒステリックなお母さんと、はんなり女将さんを、
 同一人物とわかってても認識できないなんて。

・伊東 四朗:リーガルハイ2(第7話ゲスト)
 アニメ監督者役として、プロとしての厳しさを語る言葉に
 あそこまでの重みを持たせられるとは。


充実の2013年ドラマ界でした!