イエローハーツ。


なんで見に行かなかったのか悔んでいた本作品、近所のレンタル屋さんで借りれるってことで入手してみました。2時間半くらいあるのでゆっくり見ようと思ってたら返す当日になってしまい、翌日お店が開くまでに返すため、真夜中に眠気とたたかいながら見るはめに。でも、ものすごくよかった!! 芸/人/交/換/日/記/(舞台版・DVDにて)。




登場人物は、売れない漫才コンビ、イエローハーツに扮する田中圭くんとオードリーの若林だけ(たまに女の子が1人登場)で、二人の力量だけで舞台が決まる。はじめは圭くんがリードしてる感じなのだけど、大量のセリフをテンポよく、舞台用のハイテンションでまくしたてて、わ〜圭くん上手だわ〜、と盛り上がる(話に集中する前にそう思っちゃうんだもん)。日記の一冊目でようやく場があたたまって話に入り込めてきた。


大きな場面転換もなくて、中央のポストを隔てて、下手が田中(若林がやってる役)の部屋、上手が甲本(圭くんがやっている役。わかりずら)の部屋、下手の上の方に外のお店などのスペース。ほとんど日記か手紙の言葉で話が進んでいくのに、わずらわしくない程度に背景がわかる。彼らが会話する場面は一切でてこないけど、日記で十分彼らの性格も伝わるようになっている。漫才も全部見せずにちょっとだけ見せて気になったところで切ったり(そのタイミングが絶妙で笑いがおこる)、観客の笑い声を流すことで、その漫才のウケ具合がわかったり、無駄なシーンがなくてよい。タイトル通り、ほんとに日記だった。


半分くらいからお話的にはかなり暗いターンに入って見続けられるかな、と思ったけど、しんどいながらも見ました。事前情報で、挿入歌「若者のすべて」がずるいって聞いてたけど、ほんとにずるい。あの曲だけでもいろんな背景があいまって泣けるのに、もうここで流されたら哀切極まりない。。「途切れた夢の続きをとり戻したくなって」ですよ。家で、DVDで見てるから、そんなに泣かなかったけど、最後の漫才のシーンはさすがにね。一番明るい照明で、ちゃんと最後まで漫才してくれるの。それまで甲本はツッコミだったのが、ボケになってて、現実世界で若林がツッコミだからかもしれないが、ものすごく安心感があって、それが幸福感につながっていった。
カーテンコール2回目くらいで人がどんどん立ち始めて、これがスタンディングオベーションなのか、と見入る。経験が浅いためスタオベするようなお芝居を見たことがないのですが、これ現場に行ってたら自分も立ってただろうなぁ。やっぱりこれは生で見るべきだった。


本編が終わり、軽い気持ちで特典映像を見たら結構盛りだくさんだった。楽屋でのショットがたくさん。圭くんは、若林に「昼公演の時は一冊目あたりまで声ができてない」と言われていた。ほんと酒飲み過ぎですよ。おしゃれかんけいに出てた時も酔っぱらって稽古に来たとか言ってたし。はしゃいじゃうのもよいけど、やればできる子だってのもわかるけど、もう少しまじめにやってください。
一方の若林。最後の漫才の練習をしに一人で楽屋を出ていったという。圭くんも行こうか、といったけど、ここは俺さえしっかりしてれば大丈夫だし、圭くんがきちんと出来過ぎていない方がその場のライブ感が出ていい、とおっしゃっていたらしい。若林すばらしいじゃないか。ラストシーンが自分にかかってるなんて、相当プレッシャーだっただろうな。そして、ちゃんと本番に生きていたと思う。


これは原作もあるし映画にもなっているけど、しばらく余韻にひたりたいのでこのまま何も見ないでおこう。私にとってはこの二人がイエローハーツなので。いつか原作くらいは読むかもしれないし、読まないかもしれない。